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―― 『イケメン戦国』の印象を教えてください。
作品の存在は以前から存じ上げておりましたが、10年も続いているという詳細までは、正直なところ恥ずかしながら存じ上げておりませんでした。
改めてお仕事として関わらせていただくようになり、10年という長い間、作品が続いてきたことのすごさを実感しています。
10年前といえば、僕自身はまだ声優という職業を目指してすらいなかった頃です。そんな時代から走り続けている作品に、こうして携わらせていただけることは、本当にありがたいことだと感じています。 -
―― ご自身のキャラクター「千利休」について、第一印象と魅力的なポイントを教えてください。
第一印象は、「とっても素直な人だな」って思いましたね(笑)。良くも悪くも、誰しも少し“ぶっ飛んだ”一面ってあると思うんですけど、利休の場合、それがすごく分かりやすく社会的な常識とはズレているだけで、本人としてはまったく嘘をついているわけでもなく、すごく素直に感情を伝えている人なんですよね。
道徳観や倫理観がちょっとズレているだけで、本質的には真っすぐな人だなというのが、僕の中での大きな印象です。
魅力的な点については、僕が演じさせていただいた中で特に感じたのが、主人公に向けたセリフの多くが、意外にもすごくストレートで、全然嘘がないんですよね。口八丁というか、ペテン師っぽさがあるとされながらも、実は本当にまっすぐなことしか言っていない。
「この子、全然嘘ついてないな」って思いました(笑)。
良くも悪くも憎めないタイプというか、嫌いな人は離れていくし、逆に残る人はちゃんと側に残ってくれる、そういう関係性を自然と築ける人なんじゃないかなと思います。
僕自身、正直な人が好きなので、「彼が好き」と言うとちょっと語弊があるかもしれないですけど(笑)、でも好きだなと思いましたね。 -
―― 演じる際に意識した点についてお聞かせください。
利休は、思っていることをそのまま口に出しているタイプではあると思うんですけど、どこか「歌い癖」みたいなものがあるというか、流れるようにしゃべる印象があるんですよね。
一見ナチュラルに見えても、実は一度ちゃんと自分の中で言葉を選んで、考えながら発しているタイプなんじゃないかな、と。そういう部分も意識して演じました。
あとは、あえて“圧”をかけるような場面や、印象的なセリフの箇所では、彼なりに「ここは決めに行くぞ」っていう意思があると思ったので、僕自身も少し誇張して表現するようにしています。
あくまで“僕が演じる”というよりは、「千利休が自分を演じている」ような感覚で臨んだ、というのが近いかもしれません。
そして最終的には、あまり考えすぎずに、その瞬間に感じたことや言葉を、自然に口から出せるように意識していました。
「思っているままを、そのまま音にできたらいいな」と思いながら、演じさせていただいた印象です(笑)。
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―― 利休は「サイコパス×異常愛」がキーワードとなるキャラクターですが、どのようなイメージをお持ちになりましたか? また、ご自身と利休との共通点はありますでしょうか?
先ほどの話にも少し戻る部分があるんですけど、やっぱり“愛の向け方”って人それぞれだと思うんですよね。
なので、「こういう人もいるよね」くらいの感覚で受け止めていました。
利休の場合、その“愛”の向き方が少し極端で、社会的な常識から外れて見えることもあるかもしれないですけど、ちゃんと受け入れてくれる相手や場所を見つけてるというのが大きいと思います。
たとえば、主人公と出会ったときや、才蔵たちのチームと一緒にいるときなんかに、彼自身が自然体でいられる場所を確かに感じていて。
「ちゃんと馴染めてるじゃん」「その性格でいられる場所があって良かったね」って、ちょっと親心みたいな気持ちで見てました(笑)。
共通点についてですが、やっぱり人間誰しも、社会の中である程度“建前”とか“仮面”をつけて生きていると思うんですよね。その裏に、あまり人には見せられない面があるのも普通のことだと思います。
そういう意味では、僕だけじゃなくて「人類みんな彼と一緒」(笑)。ちょっと極端なだけで、本質的には誰しもそういう面を持っている気がします。
それに利休って、素直でいられる相手や場所を見つけたときには、そこに対してものすごく真っすぐに愛情を注ぐタイプだと思うんです。
その方向性は違えど、僕も一度「ここだ」と思える空間は大事にしたいタイプなので、そういうところは共通してるかもしれないですね。 -
―― 『イケメン戦国』では、戦国時代にタイムスリップをしますが、もしご自身が行くとしたら行ってみたい時代はありますか?
どの時代も楽しそうだなとは思うんですが、個人的に一番気になるのは「ジュラ紀」ですね(笑)。
あの時代って、圧倒的にデータが少ないじゃないですか。
今の恐竜のイメージとかって、ほとんど想像で補われてる部分も多いと思うので、「本当はどうだったのか」を自分の目で見て確かめたいです。
ちょっと命の危険はありそうですけど…それでも行ってみたい時代ですね(笑)。 -
―― 最後にファンに向けて、メッセージをお願い致します。
改めてになりますが、こんなに長く続いている作品に出演させていただけたことが、本当に嬉しいです。
同時に、やっぱり長年愛されてきた作品に関わるというのは、少し緊張もありました。
千利休というキャラクターが、皆さんに少しでも受け入れてもらえたら嬉しいですし、彼のようなタイプが現実にいたら…まぁ、あまり近づかない方がいいかもしれないですけど(笑)。
でもだからこそ、フィクションの中でしか味わえない魅力もたくさんあると思うので、利休のキャラクターが好きな方には、ぜひ『イケメン戦国』の世界を通して楽しんでいただけたら嬉しいです!

