ヨナ「絶対に、つけないからね!」
あなた「えー、可愛いのに。ヨナに似合うと思うんだけどな」
ヨナと遊びに訪れた遊園地。はしゃいだ私が手にしていたのは、クマの耳がついたカチューシャだ。
ヨナ「なんで耳なんてつけなくちゃいけないわけ?」
あなた「もしかして、恥ずかしい?それなら、周りのみんなもつけてるから、大丈……」
ヨナ「周りのことなんて、俺たちには関係ないでしょ」
カチューシャをつけることを拒むヨナに、私は食い下がる。
あなた「せっかく来たんだし、遊園地を満喫するためにも……お願いっ」
ヨナ「…………。そんなに言うなら、君がつけてよ」
あなた「え?」
ヨナ「君のほうが似合うでしょ。それに……俺だって、君の可愛いところが見たいんだけど?」
(可愛いところ……って)
少し照れた様子のヨナの言葉に、私も頬の熱を上げた瞬間、閃いた。
あなた「じゃあ、お揃いならどうかな!?」
ヨナ「は?」
――結果。
ヨナ「どう?角度、おかしくない?曲がってる気がするんだけど」
気恥ずかしそうにしながらも、ヨナはきちんと、私とお揃いのカチューシャをつけてくれた。
あなた「大丈夫、完璧だよ、ヨナ!」
ヨナ「君のは、曲がってる。つけるからには完璧にしなよ」
ヨナが手を伸ばして、カチューシャの位置を直してくれる。
あなた「あ……ありがとう」
指が髪に触れる感触にドキッとした瞬間、アンバーの瞳と視線が重なる。
ふっと笑みをこぼしながら、私たちは同時に「似合ってる!」と口にした。
ヨナ「これで満喫する準備は完了だよね」
「ほら、行くよ」と、ヨナが自然な仕草で私に手を差し伸べてくれる。
あなた「うん!まずは……メリーゴーランドかな。それともジェットコースター?悩んじゃうね」
ヨナ「全部行けばいいよ。時間はあるんだし。君と一緒なら、どれも楽しいだろうしね」
こうして私たちは、笑顔で手を繋ぎ合い、お揃いのカチューシャをつけたまま、遊園地デートを満喫したのだった。